大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

浦和地方裁判所 昭和57年(わ)672号 判決

宣告日

昭和五七年一一月二五日

裁判所

浦和地方裁判所第三刑事部

裁判官

小原卓雄

検察官

中野寛司

弁護人

山口博久

被告会社及び被告人

本店の所在地

埼玉県鴻巣市人形一丁目六番一八号

法人の名称

株式会社広田屋

代表者の住所

埼玉県鴻巣市人形一丁目六番一八号

代表者の氏名

齋藤藤次郎

本籍

埼玉県鴻巣市人形一丁目二、八二一番地

住居

埼玉県鴻巣市人形一丁目六番一八号

会社役員

齋藤藤次郎

昭和五年九月一六日生

主文

被告会社を罰金七〇〇万円に、

被告人齋藤藤次郎を懲役八月に各処する。

被告人齋藤藤次郎に対し、この裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、埼玉県鴻巣市人形一丁目六番一八号に本店を置き、ひな人形の製造販売等を営む資本金四〇〇万円の株式会社であり、被告人齋藤藤次郎は被告会社の代表取締役として同社の業務全般を統括しているものであるが、被告人齋藤は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上及びたな卸金額の除外、架空の給料手当の計上等により債券等の簿外資産を取得する等の方法により所得を秘匿したうえ、

第一  昭和五三年七月一日から昭和五四年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四、二九六万三、二九七円であり、これに対する法人税額が一、六一九万三、四〇〇円であるのにかかわらず、同年八月二四日、同県大宮市土手町三丁目一八四番地大宮税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額は、三九四万七、五二一円であり、これに対する法人税額は九五万三、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額との差額一、五二四万円を免れ、

第二  昭和五四年七月一日から昭和五五年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二、四一五万二、九三〇円であり、これに対する法人税額が八七一万七、三〇〇円であるのにかかわらず、同年八月三〇日、前記大宮税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額は四九四万九、七五一円であり、これに対する法人税額が一二八万二、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額との差額七四三万五、一〇〇円を免れ、

第三  昭和五五年七月一日から昭和五六年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二、三〇〇万七〇五円であり、これに対する法人税額が八五五万七、八〇〇円であるのにかかわらず、同年八月二八日、前記大宮税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が四八七万二、一五〇円であり、これに対する法人税額が一三一万九、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額との差額七二三万八、四〇〇円を免れ、

たものである。

(法令の適用)

被告会社につき

判示第一、第二の各所為

昭和五六和法律第五四号による改正前の法人税法一六四条一項、一五九条一項・二項、刑法六条、一〇条。

判示第三の所為

法人税法一六四条一項、一五九条一項・二項

併合罪加重

刑法四五条前段、四八条二項

被告人齋藤藤次郎につき

判示第一、第二の各所為

昭和五六年法律第五四号による改正前の法人税法一五九条一項、刑法六条、一〇条

判示第三の所為

法人税法一五九条一項

刑種の選択

各懲役刑を選択

併合罪加重

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(最も重い判示第三の罪の刑に加重)

刑の執行猶予

刑法二五条一項

(裁判官 小原卓雄)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例